海外不動産投資の特徴
不動産投資は日本よりも海外の方がハイリスク・ハイリターンです。こうした表面的な特徴を理解していても、なぜ海外不動産投資がハイリスクなのか詳細を理解していない方が多いです。
海外不動産投資は、人口の減少傾向が続くことが明白な日本よりも、人口増加を見込まれる海外の方が将来的な資産価値の上昇および不動産需要の増加を見込めます。
不動産投資会社のセールストークでは定番になっている海外不動産の魅力ですね。しかし海外不動産投資は国内物件よりもおいしいと簡単に考えることができず、海外ならではの詐欺やデベロッパーの倒産リスクを考慮した上で慎重に検討しないといけません。
また、海外不動産ではプレビルド施行など日本にはないルールが存在し、一部では悪意のある不動産会社が投資家を騙そうとした落とし穴を用意している場合があります。
プレビルドとは
プレビルトとは、日本で不動産を取得する際に前払いする手付け金(5~10%程度)よりも高い手付け金(10~20%以上)を複数回に分けて支払う方式です。
ここまでは、単純な支払い時期の話ですが、フィリピンやマレーシアなど東南アジアの海外不動産では、プレビルドの問題から購入時期で価格変動する要素があります。
そもそもプレビルドとは、物件を建築していく中で買い手が途中でキャンセルして売主や建設会社の損失リスクを抑え、なおかつ施工主が金融機関からの借入を少なくできる契約形態です。
プレビルドを採用する海外不動産では、着工前や着工して間もない時期などプレビルドの支払い回数や金額が多いタイミングでは、物件の総額を安くし、完成が近づくにつれてプレビルドの支払いが少なく買い手のリスクが低くなることから物件価格を値上げすることが多いです。
海外物件を手がける不動産投資会社は、「海外不動産は着工前後に買えば安いので利回りが大きくなり、完成前後の時期に売るだけでも儲かる」などと説明してきます。
しかし、プレビルドを採用して建築状況によって価格変動するのは、デベロッパーの倒産リスクを考慮しているからです。
また、なかには実際の契約を結ばずにプレビルドと銘打って代金を請求して持ち逃げする詐欺業者も存在します。
プレビルドの都合で安く取得できる物件は、幅広いリスクが大きくなることを理解し、仲介会社やデベロッパーの信頼性をしっかり確認してから検討しましょう。
海外不動産投資は詐欺事例が多い
海外不動産投資の詐欺は、仲介会社、現地のデベロッパー、売主など加害者の種類が幅広いです。
仲介会社が悪意のある詐欺行為をする場合はネガティブ情報を隠したり、英語での契約書で意図的に不利な内容を記載するなどの事例があります。
仲介会社が信頼できるところでも、一部でデベロッパーや売主が詐欺師で仲介会社自身も騙されていることがあるので、信頼できる仲介会社でも全てを任せてはいけません。
また、デベロッパーの倒産など詐欺ではなく、海外不動産ならではの問題で損失が発生することも珍しくありません。
いずれにしても、海外不動産への投資は国内よりもリスクが高く、安全性を確かめる上で幅広い調査を行わないといけません。
人口統計で成長率を読む重要性
海外不動産投資を選択肢を入れた場合は、日本から手軽に不動産投資できる国だけを見ても数十カ国以上あります。
なかには何も比較せずに不動産投資会社からの提案や、広告、ネット記事だけを見て投資先の国を決めてしまう人もいますが、できる範囲で幅広い国を選択肢に入れて比較検討するべきです。
投資先の国や地域を判断する上で重要なのが人口と成長率です。人口が増えれば必然的に経済成長しやすく、そのエリアの賃貸需要が高くなるので空室率が下がり、地価が高騰しやすいです。
各国の人口統計などを参考に成長率を読んで将来性の高い地域の物件を狙いましょう。
また、日本でも東京と郊外で不動産投資の特性が大きく違うように、海外も地域によって人口の増減率や将来性、経済成長率が変わってきます。
国単位の人口統計だけで判断せず、地域ごとの統計や徹底した情報収集で各地域の特徴や成長率をしっかり分析することが重要です。
ここでも不動産投資会社は都合の良い数字だけをピックアップした資料を提示して説明してくることがあるので、提示された資料を見るだけではなく自分自身で独自に人口統計などの主要な指標を確認するようにしてください。